五ヶ瀬町鞍岡地区の町おこし自治組織「祇園の里づくり協議会」が新しく始めた薪づくりの事業を紹介します。
五ヶ瀬の産業で、農業の次に多いのが林業。
その林業の過程で出る商品木材にならない端材を有効に活用できないか?
そんな声から、協議会のメンバーが考えたのがこの薪づくり事業です。
薪づくり事業の目的
林業の端材を有効活用
農業でも規格外の野菜や、余剰野菜が出てきます。
祇園の里づくり協議会では既に、余剰野菜を町のコミュニティ施設くららで地域の人に販売したり、無人販売所を設置するなどの試みが行われていました。
今回は林業過程で出る端材。
この端材は無駄になっているわけでなく、林業組合でも買取りを行っているそうですが、少しでも地域の人たちに使ってもらえないか?という声からアイディアが生まれました。
寒い冬の薪ストーブや薪風呂用に
鞍岡は、五ヶ瀬の中でも冬の寒さは厳しい地区。
地区内は薪ストーブや薪風呂を使用している家庭が少なくありません。
ただ、この薪ストーブは、かなりの薪を消費するのだそうです。
これまでは薪業者から購入することが主な入手ルートでした。
今回の事業によって地域限定ですが、地域の方々にかなりの安価で薪を提供できるようになるのは嬉しいメリット。
男性高齢者の交流の場として
現在女性の高齢者の多くは、地域のサロンや催しなどに割と積極的に参加をされます。
その交流の場がお友達とおしゃべりをしたり、レクレーションや運動などを行ういい機会となっています。
しかし高齢男性の多くはコミュニティの場に足が向かないようです。
男性は比較的、何かの目的(仕事のようなもの)がないと行きづらいんだとか。
そこでこの薪づくり事業に参加してもらい、薪づくりという仕事をこなしながら、ならば、地域の方々と交流していただけるのでは?と考えました。
実際に知り合いの男性高齢者に話を伺うと、「薪づくりは楽しみ」と仰っていました。
薪づくり
今回、薪づくりには新たな機械を導入しようとしています。
取材の時(令和6年2月11日)は、祇園の里づくり協議会の白瀧会長の薪割り機を使用していました。
薪割り専用の機会が一般家庭にあるのも五ヶ瀬ならでは、でしょう。
各主要なスイッチの説明も掲載しておきます。
木材を薪のサイズにカットするのは、このチェーンソーです。
田舎の人はチェーンソーの扱いも慣れたものです。
カットした木材を薪割機で「薪」にしていきます。
薪として完成したものがこちら。
鞍岡の「薪づくりで町づくり」について
しばらくはお試し体験や講習を何度か開催し、令和6年度中には「いつでもできる」ものにしていきたいと考えています。
薪の提供については、当面、地域に住む方々限定。
そのうち大量に生産できるようになれば近隣にも販売が可能になるかもしれません。
この薪づくりで、地域がますます元気になっていきそうですね!
今後も祇園の里づくり協議会のメンバーと地域サポーターたちの活躍に期待しましょう!
鞍岡の薪づくり事業については動画(YouTube)でも紹介しています。
◆鞍岡地区複合型交流施設「祇園テラス鞍楽」