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鞍岡伝統産業の継承「鞍岡しめ縄五人衆のしめ縄作り教室」

五ヶ瀬に昔から伝わるしめ縄。

しめ縄は今でも地元で作られているのですが、作り方や技法などを熟知している方が少なくなってきました。

そこで鞍岡地区自治組織「祇園の里づくり協議会」では、このしめ縄作りを次世代に継承していくべく、作り方を継承する試みを行っています。

五ヶ瀬で作られるしめ縄は、同じ五ヶ瀬町内でも地区ごとに微妙に違うようです。

“鞍岡のしめ縄”を次世代に!

今回はしめ縄教室の様子を紹介します。

鞍岡しめ縄作り五人衆の紹介

津隈典生氏(95才)

しめ縄作り五人衆の最高齢95歳の津隈典生さん。

達筆、器用、元気の三拍子が揃ったレジェンドです。

典生さんが作るのはしめ縄だけでなく、家の表札、将棋の駒のオブジェなども。

以前に、YouTube「五ケ瀬町くららちゃんねる」では、忠霊塔の碑文について解説をしていただいたこともあります。

津隈典明氏(91才)

典生さんの実の弟の典明さん。

小さなしめ縄はすごい早さで編んでいきます。

典明さんが作る小さめのしめ縄は地元でも毎年人気で、出せばすぐに売り切れ状態に。

尾前勝利氏(80才)

“鞍岡の器用な人”といえばこの方です。

本業は理容師、勝利さん(写真中央)。

勝利・・・かつとし・・・かっとし・・・カット師・・・(?)

勝利さんは竹細工も素晴らしく上手で、灯篭なども作っていらっしゃいます。

勝利さんの作るしめ縄も素晴らしく、毎年年末には特産センターごかせに並んだ40本~50本のしめ縄が完売します。

梅田秀夫氏(78才)

こちらもとても器用でアイデアマンな方!

しめ縄はもちろんのこと、自然の木や石、竹などを使って水車小屋の模型なんかも作っちゃいます!

今回のしめ縄作りの最中にもサササっと、こんなものまで!

なんて器用なお方なんだろう・・・。

器用だけでなく、アイディアが浮かんでないと作れないものばかりです。

橋本栄氏(74才)

5人衆の中では最も若い橋本栄さん。

栄さんのしめ縄の編み方は独自で試行錯誤した「ねじり編み」。

他の方は主に掌で転がすように編むのですが、栄さんは両手で掴んでねじるという手法です。

 

若い人や初めての体験者にはこちらの方がやりやすそうで、力の加減も均一になりやすいそうです。

栄さんのしめ縄はとても几帳面な性格が出ていて、一本一本の作りがとても綺麗で整っています。

鞍岡しめ縄教室での様子

今回のしめ縄教室では、高齢女性も参加。

YouTube五ヶ瀬町くららちゃんねるで大人気の「イトメ会議」のトメしゃん98才も参加!

力強いトメしゃん98!!

他にもたくさんの方々が参加し、しめ縄の作り方を学びました。

手作り、手編みなので、みなそれぞれに味が出ていますね!

初めて編んだ方の縄も、とてもお上手に編めています^^

しめ縄の作り方

鞍岡のしめ縄づくりで使われるのは、もち米の藁なんだそうです。

お米の藁よりももち米の藁の方が、長くて丈夫でしめ縄作りに適しているとか。

そのため鞍岡ではしめ縄作り用に、もち米を栽培している方がいらっしゃいます。

 

まず“なわなえ”といって、余分な部分をそぎ落として加工しやすい綺麗な状態にしていく作業から始まります。

 

なわなえの終わった状態の藁がこちら↓

 

こちらをつくるしめ縄の大きさや太さに合わせて束ねていきます。

先を固定して3つの束のうち2つを編み、その編み込んだものに残りの1つを更に編み込むという作業。

固定する道具が無い場合は、足の指に巻き付けて固定します。

レジェンド典生さんは、ドアノブに結び付けて大き目の縄を編んでいました。

使えるものは何でも使う!

利用できる環境は利用する!

これがレジェンド達の知恵!

鞍岡の伝統産業へ向けて

今回紹介したのはしめ縄の作り方の継承、勉強会。

今も五ヶ瀬町内にはお正月にしめ縄を飾る文化が残っていますが、都会ではあまり見かけないようになりました。

若い世代がこのしめ縄の作り方を習って、“お正月飾り”だけにとどまらない何かに発展していけたら素晴らしいことです。

田舎に残る小さな文化をこれからも次世代に継承していけたらと願っています。

 

◆鞍岡地区複合型交流施設「祇園テラス鞍楽」